大盤振舞(おおばんふるまい)

一膳のごはんから




もとは、「椀飯振舞」と書いて、「おうばんぶるまい」といいました


「椀飯」とは、お椀に持ったご飯のことです。平安時代、宮中に参上した人々を


お椀に山盛りのごはんでもてなしたことに由来するそうです。


白いご飯は、この占い御馳走だったのですね。


江戸時代には、お正月に親戚などを集めて催す宴会のことを、こう呼んでいました。


そして「椀飯」は「大盤」へ、つまり食べ物を持った器をのせる台へと


変化していきます。


今では、雄大な御馳走を意味するようになりました。


また、気前よくお金や品物を振舞う時にも使われます。


とこまでエスカレートしていくのかわかりませんが、すべては一膳のごはんから


始まったのです。

福寿草(ふくじゅそう)

ちいさな花に託した、たくさんの思い



元日草(がんじつそう)朔日草(ついたちそう)とも呼ばれます。


まさにお正月の花です。


南天と合わせて寄せ植えにされるのは、「難を転じて福となす」


という語呂合わせです。


人生には、「五福」といって、五つの服があるとされてきました。


長寿(寿命が長いこと)


富貴(財産に不自由なく、その人の地位が尊ばれていること)


廉寧(体は健康、心は安定していて穏やかなこと)


好徳(好んで徳を積むことができること)


善終(臨終を迎える時に、心残りなく安心して現世を離れることができること


そして、「寿」と言う言葉には、それらの福を言葉で祝う意味があります


花の少ない一月という時期に、鮮やかな黄金色の花を咲かせてくれるのが


福寿草、そんな小さい花に人々はたくさんの思いを託したのです

鳴き龍

天にのぼる声



お寺や神社のお堂でかしわ手を打った途端、どこからか「ビィィ=ン」と


いう不思議な音。何の音だろうと思って上を見ると、天井に龍の絵。


「そうか。龍が鳴いたのか」


鳴き龍現象・・・。日光東照宮や京都の相国寺などが有名ですが、その正体は


フラッターエコーです。天井と床や、壁などの並行している面の間で、音が何度も


同じ場所を反復して、鳴き声に聞こえるのだそうです。


お堂にはフラッターエコーが起こる条件がそろっているうえ、天井には、龍の


絵が抱えていることが多かったので、鳴き龍と呼ばれるようになりました。


龍は想像以上の動物ですが、春、天にのぼると言われています。


かしわ手を打った後、龍が天に昇る声に耳をすますなんて、心がワクワクしませんか。