大切なものは目に見えない

自分でさえ、汚い、みにくいと嫌い、隠していた傷口を


「みせてごらん」


と自分の手に取り、薬をぬり、うみを取り


包帯を巻いてくれる人を


自分の身近に持つ人は幸せである。


こうしてはじめて、私たちは、


自分のみにくさを見つめる勇気を獲ることができる。


愛してくれる人とは、そういう人である。


ほれぼれするの姿だけでなく


どんな姿においても、そのみじめさ、みにくさも、


共に見つめてくれる人である。



その時はじめて私たちは、


自分がそれほどダメでないこと


卑下しないでよいことに気付くのである。


愛されて、私たちは、愛すべき人に変身してゆく


そして、やがて


愛されるに値するものへと成長してゆくのだ。


それは見せかけの成長ではなく


ありのままの自分をあたたかく見つめ


そこから出発する着実な成長である


目に見えないけれど大切なもの―あなたの心に安らぎと強さを (PHP文庫)
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